ビールや発泡酒、第三のビールの酒税を一本化することが決まっていますが、既にかなりのビール離れが進んでいることから、酒税が軽くなったからと言って、消費量が増えることは最早、見込めないでしょう。
あくまで、個人的な意見ですが、ビールが売れなくなった元凶は価格だけが安い、ビール風飲料が発売されたことにあると考えています。
未来のビール愛飲家を育てる第一歩でもある新卒社員にそのビール風飲料を嗜む機会が発生し、そのマズさの印象がその後に影響を及ぼしたと考えるからです。
もちろん、アルコールを飲まない文化になってきたことも理由の一つですが、やはり、まがい物はまがい物でしかありません。
ビールの代替商品はあくまで、ビールではありません。
政府としては、ビール類の酒税統一が図られた後は、ビール類に酒税格差が無くなることから、ビール類の増税を行うと予想しています。
ビールだけで予定の酒税を確保できていた時には、第三のビールなどはあまり問題にはなりませんでしたが、国民が貧しくなって、酒税の安い第三のビールが主流になってくると、酒税が減っていきますから、ビール類全体でもとの税収確保を目指すことは、ごく自然な話です。
例えば、少し古いデータですが、スーパードライの販売状況です。
2020年は2011年の6割にまで低下しています。
これでは、設備稼働率や売り上げ、利益などへの影響が甚大ですので、発泡酒や第三のビールに手を広げることで、落ち込みをカバーしようと考えるのは自然の流れです。
アサヒビールも最初のうちは、ビールのまがい物として発泡酒には参戦していませんでしたが、市場の流れに抗えず、結局参戦することになりました。
それに加えて、消費税がどんどん上がっていきましたので、2011年は5%、現在は10%ですから、それだけで倍増しています。
国は税収の確保だけを目的としていますから、ビール類での予定税収が不足するようになると、たばこと一緒で増税に舵を切るのは、意外に早い可能性があります。
ビールもいずれは、高級品となっていき、売り上げは更に下がって行くでしょうから、ビール会社各社はビール以外の販路を拡大し、同じく、国もその販路に便乗して、増税による税収確保を狙っていくのでしょう。
因みに、外食は10/1以降、ビールの値段を下げたのでしょうかね?