以前記事にしましたが、「買わない」という選択肢が表舞台に颯爽とデビュー。
これまで、脇役の中のチョイ役だったのが、今では主役です。
庶民の財布が急速に縮まった結果、薄利多売の商売が真っ先に厳しくなります。
このような商売は「資金繰り」が全てと言っても過言ではありません。
メーカーや小売店にも都合が有ることは十分理解できます。
ただ、庶民の懐がそれに追い付いていないどころか、増税ラッシュにより可処分所得が年々縮小していますから、家計防衛はやむを得ないところなのでしょう。
私は毎日のようにスーパーに雰囲気を感じ取るために顔を出していますが、かご一杯にレジで精算しているお客を見る機会が凄く減ったことを実感しています。
むしろ、コンビニのように特売品だけ1~2点を購入するお客も目に付きます。
大手企業は、まだまだ資金力がありますが、中小企業の小売店では「お金の切れ目が縁の切れ目」となってしまいます。
私の自宅近くでもこれまでに何店舗かの中小スーパーが倒産しましたが、パターンは似通っていました。
ざっくばらんに記述しますと、次の通りです。
①他店舗では考えられない特売品を連日投入(例・〇ーゲン〇ッツが130円)
②店舗独自のプレミアム商品券を発行(例・13000円分を10000円)
③商品の品揃えが増える(例・旧パッケージ品を廉価で大量販売)
④商品の販売ロットに大口が目立つ(例・りんご一箱)
⑤複数個購入で割引(例・お米10㎏2つで10%引き)
以上、思いつくままに記述しましたが、倒産はある日突然やってきます。
私の経験した倒産当日に買い物をしていたスーパーは2回ありました。
一つはあのマイカル(ニチイ)で、もう一つは地元のスーパーでした。
いずれも偶然、来店した時に遭遇しました。
マイカルでは倒産当日に、卸会社が納品した店頭在庫を社員が回収していき、あっという間に商品が無くなっていきました。
パートのおばさんはそれを涙を流しながら呆然と見守っていたのを強烈に記憶しています。
その一方、レジに普通に並んで精算していたお客さんも従業員も何が起きたのか分からない感じでした。
もう一つは、中小の地元スーパーでしたが、倒産当日、商品の投げ売りが突然始まりました。
本当に突然でした。
私が買い物をしている最中に大声で、
「いまから全品半額!今日で閉店!」
と従業員の方がアピールしていました。
その日にちも覚えています。
1月31日。
何故、この日だったのかは、後で気が付きました。
そう、プレミアム商品券利用最終日でした。
経営者も何とか踏ん張ってくれたのかなと好意的に解釈するようにしましたが。
後日談で、倒産に至る経緯がマスコミで報道されました。
複数店舗を展開するほどの勢いだったのが、最終的に資金繰り倒産とのことでした。
その中にはオープン2日で閉店となった店舗もあったそうで、文字通り、火の車だったのでしょう。
今後、このような資金繰り倒産が一気に増えてくるのではないか、競争が減ることにより、店頭価格が上がっていくのではないか、と。