(前回⑥からのつづき)
「持株会は長期投資だし、マンションは多分ここが底値だろうと考えて、立地とブラン
ドを吟味して購入したからだよ。」
「持株会はいろんな会社で制度があると思うけど、わが社は5%の補助が出てる。ま
た、もう10年以上連続増配が続いており、資本構成が変わったこともあって、増配額
が右肩上がりになっている。私が数年前に今の部署に異動してきたときに若手を中心
に持株会への加入や株への投資を勧めていたのは知ってるよね。」
「知ってる、知ってる。」
「その時に素直に始めた社員は既に約30%以上、資産が増えている計算だ。」
「そんなに増えているのか。確かにその時の日経平均やわが社の株からするとその程度
は達成できているよね。」
「私が幾らでもいいから投資を始めることを勧めているのは、急には出来ないからだ。
退職金を株につぎ込んで、やられたというニュースは良く見るでしょ」
「よく見るね~。損を取り返そうとナンピンしたら更にドツボにはまったという記事だ
よね」
「早いうちから、少しずつでも自分のリスク許容度を皮膚感覚で理解したうえで、投資
の方向性を決める必要がある。もちろん、投資は向かないから預貯金でいいというの
も選択肢の一つだね。」
「投資というとどうしても構えてしまうんだ」
「それは正常な考え方だよ。リスク許容度は人によって千差万別だし、何が正しいとい
うことは無い。株の本を読んでみんな儲かるなら、全員大金持ちだ。」
「株などの投資に関する本は五万とあるのに、何がいいのか全く分からない」
「お勧めは、直ぐ始めてみることだよ。今ほど、投資するのに適した環境は無い。いつ
やるのか、今でしょ!」
「でも先立つものが無いし、証券口座も開いていない。」
「私も楽しみの一つにしているけど、楽天ポイントやdポイントで仮想投資できるサー
ビスがある。それらのポイントも100ポイント以上は持っているでしょ。」
「ちょっと待って、今確認したら、dポイントが2000ポイント程ある。」
「それでdポイント投資にチャレンジしてみたら。お任せコースは結構市場に連動して
乱高下するから、自分のリスク許容度を図るのに最適。」
「よし、早速、家に帰ったら始めるよ」
「違う、違う。今でしょ!」
「ははっ!今すぐ設定します!」
「リスクを怖がる人が多いけど、別の言い方をすると、先に何が在るか分からないこと
が怖いということと私は思っている。」
「そうだよね。損したらという思いの方が強いかな」
(つづく)