(つづき)
「一言で言うと、木を見て森を見ずだ。会議で月次で詰められても、年次での進捗状況を根拠を示して、説明することが出来ていないだろ。」
「確かに。月次ベースを強く指摘されて、毎月ヘトヘトになる。」
「自分が出来ないことを部下に押し付けていることが原因の一つだし、さっき話したように部下の顧客状況を理解していないことが最大の原因。」
「会社の研修だけではなく、部下に営業方法をレクチャーしたりしているが、結果に結びつかないんだ。」
「あまり突っ込んでも仕方ないけど、部下が安心して営業に専念できない環境をあなた自身が作っている。つまり、心理的に不安定化させている。」
「どうしたらいいのか・・・」
「あくまで私のケースだけど、課としての数字が割り当てられたら、部下自身の数字のスケジュール感をヒヤリングする。それに課のノルマの数字と組み合わせてみて、自分の数字をどのタイミングで入れ込めばいいのか企画する。できれば、自分の数字を先行して上げておき、部下が課としての数字に追いやられる心理的プレッシャーを軽くして、自分の営業に注力してもらう。」
「それでも部下の数字が上がらなかった場合はどうする?」
「答えは簡単さ。足りなくなる分を他の部下に振らずに、自分でカバーすると同時に、数字の上がらない部下と一緒に営業活動をすることだ。恐らく、部下の経験不足からくるニーズの見落としも意外に転がっているものだ。」
「そうは言っても、自分の数字だけでも手一杯。」
「それがさっき言った、自分が出来ないことを部下に押し付けているというんだ」
「う~ん。そう言われても、直ぐに数字が上がるとは思えないけど。」
「困りごとは現場に転がっている。自分の価値観という色眼鏡で見ているから死角が増えてくる。私が雑談をしているといったが、それは多様な話題を事前に用意しておき、どの話題に反応するかを見極めている。」
「雑談と言っても、無駄話になるんじゃないの?」
「おい、おい。顧客との雑談が無駄話と感じるのでは、かなり重症だね~」
「顧客も貴重な時間を割いてもらっているから、要点を詰めて商談するようにしているけど、マズいのかな?」
「う~ん。ちょっと、会社以外の人とのコミュニケーションを取るようにしないとまずいぞ。無駄話かどうかを決めるのは、顧客であり、自分ではない。それに、顧客にとって、無駄話にならないような雑談のテーマを事前にインプットしておくことだ。」
「毎朝、日経やネットニュースをみて、タイムリーな話題は気を付けているけど」
「それはそれでいいけど、顧客も見ている可能性が高い訳だから、薄い話題にしかならない。」
「何だか良く分からなくなってきた・・・」
「アドバイスするつもりは無いけど、御用聞きからの脱却が必要。さっきから聞いているとただの営業マンに過ぎない。それでは数字が上がりにくい。部下も含めて、コンサルタント的営業スタイルに変えないとジリ貧で誰もハッピーになれないよ」
(つづく)
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