【老人民主主義】管理組合がヤバい⓵

先日、知人から「仕事帰りにちょっと一杯付き合って貰えないか?」とお誘いがありました。

真面目なタイプなので、自分で悩んで解決できなかったような話では無いかと想像していました。

乾杯もそこそこに、

「酔っぱらう前に先に話に入ろうか」

「そうだね。実は相談というか意見を聞きたいんだ」

「先日私のマンションで総会が有り、世代間の対立を目の当たりにしたんだ。しかも今の日本の縮図がまさか自分のマンションで起きるとは想像もしていなかった。」

「役員、ペット、ラウンジ利用に関する議案が審議されたんだが、全て老人に有利な内容となっており、現役世代から大きな反発を呼んで大騒ぎになった。」

「でも、結局は老人理事会が議案化して、内容をよく理解していないのではと思われる所有者が議長委任でほとんど出してくるため、全て承認されてしまった。」

「しかも、出席者の多くは老人が半数以上を占めており、さしずめ老人ホームの会合のようにすら見えた」

「そんな話を他で聞いたことが有るよ。特に築30年以上経ったマンションは、新築時に30~40代以上で購入した所有者のほとんどが定年を迎え、年金生活に入っているから、将来世代の事より自分たちの事しか考えないと言っていたな~」

「そうなんだよ。例えば役員就任ついては、75歳以上は免除する、理事長経験者は顧問として就任する、ペット飼育は65歳以上は例外的に認める、ラウンジ利用は65歳以上を優先とする等々、散々な結果だった。」

「法的にはかなりグレーだけど、私的自治の原則が管理組合にも当てはまるため、違法ではない限り覆すのは結構無理ゲーだよね」

「そうそう、だからと言って、現役世代が役員に就任するかというととてもじゃないけどそんな時間は割けられないから、やられっぱなしとはいえ、反論もしにくい」

「管理会社はどうだったの?」

「担当者は正直言って、苦渋の表情のように見えた。管理会社としては結果的には老人世代と現役世代の間に挟まれて、嫌な思いをすることになるだろうからね」

「そうだね、結局管理会社は総会という最高の意思決定機関で決まったことに従うしかないからね~」

「それで、今後についてなんだけど、大雑把な聞き方で申し訳ないけど、どう進めていけばいいのかな?」

「両世代が上手く行く妙案は思い浮かばないけど、仕事上での老人の取り扱いと同じでいいんじゃないのかな?」

「えっ!何それ?」

「あなたも無意識に自然体でお年寄りに接しているから気が付かないのかもしれないけれど、若者以上に承認欲求が強いから、感情を表に出さず、勘定で考えたらどう」

「例えば?」

「ラウンジ利用が老人優先となったと言ってたろ。そういうルールになったというのであればルール自体を変更する労力はかなりなものになってしまう。それを運用面で現役世代を配慮するように仕向ければいい。」

(つづく)

 

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