堅い話はここで終わり、社内のたわいもない話や今流行りの話題などの会話を楽しんでいましたが、コースが終わりに近づいたとき、一人の女子社員が顔を少し赤らめながら、
「このまま退職されて、何もしないのはもったいないです」
「誉め言葉として受け取っとくけど、本当にのんびりしたいだけなんだ」
「今でも毎月のように社員が退職していますが、ここまで慰留されるのを見たことがありません」
「大口顧客と長年、ツーカーでやってきたから、会社としてタイミングが悪いと思っているだけじゃないのかな」
「何故、こんなに社員が退職するのでしょうか」
「成果の有無にかかわらず、結局、平均以下の評価にしかならないのだから、若手社員程、退職する傾向が強いのは理解できるよ。」
「どうしたらいいのでしょうか」
「会社が変わるのか、社員が変わるのか、卵が先かニワトリが先かと一緒だね」
「何となくおっしゃっていることは分かるような気がします」
「まあ、折角のほろ酔い気分が台無しになっちゃうから、ここまでにしましょう」
「最後に改めて教えて下さい。退職後は転職されないのですね?」
「転職しませんし、残る気もありません。」
これでお開きとなりました。
ただ、はっきり言えるのは、私の退職を先延ばししようという意思は確認できましたが、理由は私が担当している複数の大口顧客との関係では無いかと踏んでおり、引継ぎを十分に行った上で、お引き取り願おうと考えています。
ただ、その後、帰り道が一緒だった総務の子と二人で電車に乗ったのですが、
「営業部門のトップを誰もやりたがらないため、人選が難航しているそうです」
「最近では3年続いたためしがないよね。若返りにいい機会なんじゃないの」
と短い会話をして、私の降車駅となり、そこで降りました。
営業部門のトップは血反吐を吐くような激務で、2年程でくるくる変わっています。
だからといって、必ずしも出世コースではないため、成り手がいないのは良く分かります。
何年か前の営業担当役員は、就任当初から威張り散らしてばかりいて、結局、数字が上がってこないことから、1年持たずに事実上の解任、退職となりました。
また、総務畑出身のような事務部門の方が就いたら地獄を見ることになります。
結局は、人材育成を怠ってきたことや社員の頑張りに応える制度をどんどん、縮小してきたことが原因と考えています。
頑張った社員ですら、管理職になっても、残業代が減り、事実上、減収となります。
管理職以上は、名誉職でしかないのが実態です。
毎年実施している、外部機関による従業員アンケートでも管理職への就任を拒否する傾向が年々増加しています。
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