サラリーマンは退職後に何故、同じ会社の人と縁が切れるのか④

(③からつづく)

「相手?」

「その相手は、主に結婚を視野に入れている彼女や奥さんだね」

「いわゆる『嫁ブロック』というやつ?」

「そう。彼女や奥さんはやはり旦那に『今の収入』や『将来の見通しが立てやすい』など『安定性』を強く求める傾向があり、子孫を産み育てるという観点からは至極真っ当な考えだね」

「といっても、転職が普通になってくると安定性だけを訴えるのは難しいのでは?」

「そう、これからの基準とこれまでの基準が混同されている。」

「それと退職社員と縁が切れることの繋がりが分からないけど?」

「今在籍している会社に将来性=安定性があるのであれば、問題ないけど、結婚したり、子どもができた後に退職している社員が結構いるのに気が付いてる?」

「そういえば、そうかも。給料が安すぎて、夜にコンビニバイトや水商売に足を突っ込んでいる人がいるという話は結構聞くな~」

「こんな環境の会社には、こんな程度の社員しか集まらないことが原因だ」

「それだと、経営陣に問題あるんじゃない?」

「いや、大変優秀な経営陣だ。安い社員で最高の業績を毎年叩き出しているんだから、株主から見たら優秀でしょ。」

「見方によってはそうかもしれないけど、社員はたまったものじゃないな。」

「ある意味、時代を先取りしている会社なんだよ。さっき言った、ギグワーク化したジョブ型雇用になって行くわけだから、社員の待遇改善を考える理由が無い。」

「それだと、アルバイトと変わらないな~」

「アルバイトの方が上だ。いつでも辞められるけど、社員になると生かさず殺さずの待遇で拘束されるからね」

「う~ん。何だかお先真っ暗だね」

「社員間の結びつきは不要になってくるから、これまで以上に社員は社内で孤立化していくことになる。」

「それはさすがにまずいんじゃない。」

「そんなことはない。これからはプロジェクトごとに必要な人材が集められる。例えば、Aという企画が立ち上がり、その立案にはその道のプロに外注され、その立案の実行をその道のプロに外注し、そのアシスタント的な業務を社員が行うことになる。つまり、下っ端の雑用係だね。だからスキルはいらないし、給料は安く、昇給させる理由が無い」

「サラリーマンには未来は無いのかな?」

「少なくとも現状のままでは未来は無いね。サラリーマン自身が社員同士、疑心暗鬼になるような環境下にあるため、本当の友達にはなりえないからね。これが退職後、縁が切れる最大の理由だ。」

「今後、年功序列的感覚ではかなりハイリスクだということは分かったけど、サラリーマンしかやったことがない人間にとってはつらい世の中になるね」

「そうだね。遅かれ早かれジョブ型雇用に切り替わる訳だから、社外に仲間を作るのが最も必要なことだよ。社内では『仲間風』の人はいても、先の理由から信頼するに足りない人物が多いからね」

 

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