サラリーマンは退職後に何故、同じ会社の人と縁が切れるのか③

②からつづく

「分割統治?」

ウィキペディアには、被支配者同士を争わせ、統治者に矛先が向かうのを避けることができる。統治者が被統治者間の人種、言語、階層、宗教、イデオロギー、地理的、経済的利害などに基づく対立、抗争を助長して、後者の連帯性を弱め、自己の支配に有利な条件をつくりだすことを狙いとし、植民地経営などに利用された』(*ここは間違いを避けるため、転記しました)と記述されている」

「そのように意識したことは無かったけど、確かに社員同士のいがみ合いは、上層部には向かっていないよね」

「まあ、古今東西、人を支配する手法は実は、あまり変わっていないんだ」

「社員同士がいがみ合っていては、目標達成に障害になるんじゃないの?」

「いや、ならない。社員間に相対的な優越感に浸らせるだけだから、社員全てに二枚舌や三枚舌で情報が与えられている。例えば、『Aグループは能力不足だ。Bグループに期待しているよ。』一方、『Bグループは目標を達成しそうだけど、そもそも設定が低かったからね。実はAグループの奮起に期待しているんだ』とでも言えば分かるかな」

「そういえば、後になって可笑しいなという状況が少なからずあったけど、新年度になって人事異動などで有耶無耶になっていた」

「つまり、意図的に社員間を分断し、あとは放置」

「植民地の独立後の姿を想像すれば、確かに似ているな~」

「ジョブ型雇用も実はその発展形に過ぎない。チームワークは不要で、必要な時に必要な『成果』だけを求められるわけだからね。」

「う~ん。何だかサラリーマンどころか給与所得者は絶滅危惧種になりそうだね。子供や孫の時代にはどうなっているのか、心配になってきたよ」

「サラリーマンがゼロになることは無いけど、雇われ役員は結構大変かも」

「どうして?」

「株主資本主義がどんどん先鋭化してきているだろ。究極は100%ではないだろうけど、経営陣自体もAIが代替するようになる可能性も十分にある。経営者自身が支配力を有する程度の株を持っていれば、コントロール出来るけど、そうでなければ、役員報酬自体もコストとして厳しく見られることになり、ある段階でドラスティックな変化が起きるのではと私は見ている」

「在職中の環境が退職後、社員間の接点が無くなるという訳だね」

「まあ、私の勝手な持論だから、あまり難しく考えなくてもいいけど、退職後に連絡を取り合わないのは、社員間で好印象を持っていないことが理由というのを感じていた」

「そうかもな~。退職した社員に連絡をする場合は、業務的なものに限られているよね。しかも電話をかけても出てくれない退職者の方が多いように感じる」

「若手社員も実は『世間的に』年功序列制を暗に期待しているはず。」

「どうして?実績に基づいた実績給の方がいいんじゃないの?」

「自分は良くても、相手がそれを許さないからさ」

「相手?」

(つづく)

 

 

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