同僚から退職についての相談!?③

(前回②の続き)

「確かに。別にいいじゃんという指摘事項でも、全力でミスを無くそうとするから、そ 

 の分、戦力が分散し、結果、ここ数年、年間目標も未達のままになってるね。」

「一般論だけど、船長があれもこれもと成果を欲張った結果、ゴールにたどり着けない

 ことがあるでしょ。」

「船員はとても迷惑だよね。」

「投資も一緒で分散投資という言葉は良く聞くと思うけど、投資資金が乏しいのに分散

 投資したところでリターンは限られてくる。むしろ投資資金が少ないからこそ、少し

 の変動で大きな影響を受けてしまうリスクの方が大きい。」

「少ない資金で大きなリターンをしかも短期間で求めようとするところに無理があるの

 は理屈では分かっているけど、何とかならないのか?」

「結論ははっきりしているよ。何ともならない。正確に言うと計算できるリスクの範囲

 内では無理。ただ、ギャンブルならゼロではないけどね。」

「でも、仕事に対する意欲が無くなっているため、あと何年頑張って、資金を蓄えると

 いうのは想像がつかないし、ほぼムリゲー。だから今日相談しているんだ。」

「はっきり言うけど、それは相談ではなく、丸投げだ。相談という形式を取っている

 が、実のところ、サラリーマン根性丸出しそのものだ。相談通りにしたのに、結果が

 伴わない場合に相談相手の責任にしようという潜在的な魂胆が垣間見える。なぜな

 ら、どうしたらいいかという相談には、大抵ろくなものは無い。こう考えているけ

 ど何か問題点や気になる点は無いかなというような相談は脈がある。」

「相談のどこがサラリーマン根性丸出しなんだ!」

「簡単だよ。上申することによって責任の希薄化を目論む稟議システムと同類だ。」

「相談とは言っているが、自分の自信の無いところを他人の判断だったと逃げ道を作る

 負け犬システムだ。同僚だから厳しいながらも本音で話している」

「確かに女房を説得できていない段階で不合格だよな。」

「サラリーマンを否定しているのではなく、自分の人生を他人任せにしていること自体

 がリスクになっていることに気付いていない人間が多く、先ほど触れた船長も船主か 

 らプレッシャーを受けるただの中間管理職に過ぎない。そんな船長が船員の将来を真

 剣に考えるはずは無く、目標未達を船員の力量不足であったと報告するのが関の山」

「『敗軍の将、兵を語る』か~ 情けない。」

「これを一般的な会社風に言えば、例えば部長であったとしても、目標達成によって評

 価されると思いきや、実は社内営業によって評価は決まっている。同規模の支店で目 

 標数字が大きく異なっていることに気が付いている?」

(つづく)

 

 

 

 

 

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